LEADING QUALITYという本を読んでいて、そのうちのセッション1(品質リーダになるためには)のメモ
第1章 品質と価値
- 第二次世界大戦のイギリスの爆弾工場で爆発が起こった
- 再発防止として「品質基準」を設けて、爆弾が工場内で爆発しないような製造手順にした
- それが投下された時にちゃんと爆発するかはわからない
- 「品質」という言葉は、内部検査だけを指していて、「価値」には焦点を当てていなかった
- 戦後の日本の製造業が品質基準を大きく飛躍させた
- 「リーン生産」や「カイゼン」
- TQM(Total Quality Management: 総合品質経営)というのが生まれた
- TQMは、品質を生産工程に焦点を合わせるのではなく、「顧客への価値提供」と定義した
歴史は繰り返す
- ソフトウェアでは、「リーン開発」や「カイゼン」から、アジャイル・リーン原則・DevOpsに進化し、デプロイが速くなった
- しかし、品質が悪い高速なデプロイは代償がある
- 製造業と同様に、顧客に「品質」を提供しなければならない
粗悪な品質が傷つける3つのC
- 品質がお粗末だとコストがかかる
- もう少し小さいスケールで考えると、ソフトウェア不具合は以下の3つのCに影響を与える
- 顧客(Customer)
- 会社(Company)
- あなたのキャリア(Career)
品質作りの基礎を据えよう
- 顧客価値に焦点を当てる
- 1つか2つのビジネス指標に絞る
- ビジネス指標を絞ることによって、ビルドやフィーチャ、バグチケットの優先度を決めるようになる
第2章 3つの品質ナラティブ
- リーダーが変革を起こすときに阻むものの1つが、組織にすでにある品質文化
- 「文化」という言葉が現実味の薄い専門用語っぽい
- 組織の品質文化をまでにより簡単に語るために便利な言葉が「品質ナラティブ(Quality Narative)」
- ナラティブ(narrative)とは「物語」「語り」「話術」という意味
- 品質について考えたり話したりしていることを指す
- 自組織のナラティブを明晰に理解すればするほど、組織に変革をもたらす
- 様々な企業で観察と対話を行った経験から、3タイプのナラティブが存在する
- 責任ナラティブ:誰が品質に責任を持つかが考えられ、語られている
- テストナラティブ:品質向上につながる正しいテスト技法はどれか・どのツールを使うべきかが考えられ、語られている
- 価値ナラティブ:品質に投資した場合の見返り(ROI)が考えられ、語られている
- 品質リーダーはどのナラティブが自分たちを目標から遠ざけているかを認識し、手をうつべき
責任ナラティブ
- 品質に関する責任の所在が明確化されていると良い
- ただ、テストチームやエンジニアチームだけが品質の責任をもてば良いいわけではなく、責任ナラティブを広げて全員が役割を理解しているべき
- 複数の部門が影響するKPIを前進させる最善策は「品質チーム」を組織すること
テストナラティブ
- QA界隈でよく語らえている
- テストのやり方がたった1つなんてことはない
- どんなソフトウェアなのか、どんなソフトウェア開発手法を作用しているのか、ユーザーからはどんな期待と要望を受けているか、といったコンテキストを考慮せずにテストを考えているなら、テストナラティブに欠陥がある可能性がある
価値ナラティブ
- 議論されてないことが多い
- 品質への投資がもたらす価値を議論する場合に必要な3つの主要な分野に焦点を当てる
- 収益性
- コスト削減
- リスク軽減
第三章 品質文化醸成
- Etsy社のテストエンジニアリング戦略担当マネージャーが、時間がなくてテストを書かないエンジニアにアンケートをとった
- 品質改善に関するアイデアを尋ねた
- エンジニアが良い仕組みを望んでいることが知れた
- テストに関するLT大会を四半期ごとに開催した
- エンジニアの品質に対する優先度が高くなった
- 『人を動かす、新たな3原則』(神田晶典[訳] 講談社+α文庫・2016)の著者ダニエル・ピンクによると
- 営業職以外の人は、他者を納得させたり、影響を及ぼすなどといったことに業務時間のおよそ40%を割いている
- 次の4つを理解すると、品質ナラティブに影響を与え、社内の品質文化を調整できるようになる
- 誰を味方につけるかを知る
- 共感を生み出して連携と相互理解を深める
- エビデンスを用いて品質ナラティブを補強する
- 社内の品質推進者を増やす
誰を味方につけるかを知る
- 1つのアイデアを、話す相手のゴールに合わせて調整し、説明の仕方を変える
共感を生み出して連携と相互理解を深める
- チームメンバーがお互いの役割を理解して一緒に進めるには、相手の身になって共感しなくてはならない
- 対策として、営業部長とカスタマーサポートの部長を入れ替えてみるとか 、
- エンジニアと品質チームがペアプロするとか
- 隣に座って仕事をするとか
