以前に株式会社カケハシさんのDevOpsのスライドを読んで、その時に「Celebration Grid(セレブレーション・グリッド)」という振り返り手法を知った
このCelebration Gridについて調べてみた
Celebration Grid は Management3.0(アジャイルな組織運営のための考え方や実践フレームワークの総称)で紹介されているもので、組織やチームが成功や失敗から学びを得るために用いるフレームワーク
主にアジャイルなチームやプロジェクトマネジメントの場面で使用されるが、他の領域にも適用可能
具体的には、プロジェクトの振り返りやレトロスペクティブの一環として、成功を祝うとともに、失敗からも価値ある教訓を見つけるために使用される
Celebration Grid の構造
縦軸(結果):
- Failure(失敗):取り組みが失敗に終わった場合
- Success(成功):取り組みが成功した場合
横軸(行動):
- Mistake(ミス):既存の良いやり方があったのに、それを無視したり誤って行動したこと
- Experiment(実験):何か新しいことに挑戦し、結果が未知だったが、学びを得るために試みたこと
- Practice(実践):すでに実績のあるベストプラクティスや知識に基づいて取り組んだ行動
各グリッドの意味
- Mistake / Failure(ミスによる失敗):
- これは、すでに正しい方法があるのに、それを無視してしまった結果として失敗に終わった場合。このエリアは、避けるべき行動として認識されることが多く、学びが少ない。無駄な失敗と見なされることが多い
- Mistake / Success(ミスによる成功):
- 既存のベストプラクティスに従わなかったが、結果として成功した場合。これは一見成功に見えるが、ミスが原因で偶然成功しただけなので、再現性がなく、リスクが高い行動とされる
- Experiment / Failure(実験による失敗):
- 新しい試みやアプローチを実行したものの、結果が失敗に終わった場合。この失敗は有益な学びとして重要視され、次回の実験や改善につながるポジティブなフィードバックとして捉えられる
- Experiment / Success(実験による成功):
- 新しいアプローチや実験が成功した場合。これは非常に価値のある成功とされ、次回以降に実行する際に、新しいプラクティスとして活用されることが期待される
- Practice / Failure(実践による失敗):
- Practice / Success(実践による成功):
- 既存のプラクティスに従い、それが成功した場合。これは、再現性のある成功であり、チームとしての信頼できる方法として確立されている領域
上図では、祝うべき領域は緑色で、灰色と赤色は学びが少ない領域であると言える
Celebration Gridの使い方と目的
Celebration Grid の目的は、成功と失敗の結果だけでなく、それに至った行動(Mistake、Experiment、Practice)に焦点を当てることで、学びを深めること
特に、次の点に注力する
- 実験の重要性:
- 実験が成功した場合はもちろん、失敗した場合でも、新しい学びを得るために価値があるので、実験による失敗は祝福されるべき
- ミスの理解:
- 同じミスを繰り返さないようにすることが重要。ミスによる成功は偶然で再現性がないため、これを単純な成功とは見なさず、注意深く対処する必要がある
- 成功の種類を区別:
- 成功を単に喜ぶだけでなく、それが実験によるものか、既存のプラクティスによるものかを区別することで、将来の行動をどのように改善できるかを考える材料にする
Celebration Grid の実施手順
こちらにCelebration Grid 実施手順が書かれていて参考になった medium.com
リモートチームの場合、まず最初に Management 3.0 サイトから空のグリッドをダウンロードし、Miro や Figjam などのツールの背景として使用する